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日勝(2021/02/07)

高齢者に優しいバックカントリー

2週間前に良い思いをした日勝峠。40分で登れて滑りも楽しめる。
I山さんが再び企画したところ、参加希望者が続々と手を上げた。

その顔ぶれを見てビックリ。70歳以上が3名もいるのである。
今シーズンの山スキーでは、参加者の中の最高齢者が私だったというパターンも多かったので、これならば私も大手を振って参加できる。

日曜日の朝5時半過ぎに自宅を出発。
集合時間は午前9時半なのでこんなに早く出る必要も無いのだけれど、朝早くて車の少ない道を走るのが好きなのである。
それに、ここの駐車スペースは狭いので、早めに着いたほうが安心できるのだ。

そうして、午前8時には現地に到着。
当然一番乗りだと思っていたら、8時半集合だと勘違いしていたY賀さんが先着していた。
他のメンバーが来るまで時間もあり、その間、駐車スペースを確保するために、先にやってきた他の登山者の車を交通整理することとなる。

日勝峠バックカントリー
自分達の車をまとめて奥に入れられたのが良かった


そうして今日の参加者8名が揃って、午前9時35分に登り始める。
30代のめぐちゃんを除けば、参加者の平均年齢は私の歳を確実に上回っていそうだ。

日勝峠バックカントリー
美しい森の中をゆっくりと登っていく


登るペースもその年齢に合わせて、とてもゆっくりである。
その遅いペースの中でも、私は最後尾に付ける。
そして、美しい森の風景をのんびりと楽しむ。

日勝峠バックカントリー
苔や地衣類を纏うトドマツの老木


チラチラと雪が降っているのがちょっと残念だった。
それでも、風が殆ど吹いていないので、チラチラと舞う雪にも風情を感じる。

日勝峠バックカントリー
時々雪の降りが強くなる


傾斜も緩いのでジグを切る必要もない。
本当に高齢者向けのコースである。

日勝峠バックカントリー
斜度の緩さも高齢者向け

 

そんなスローペースで登ってきたのに、50分程で尾根の上のドロップポイントに到着。
登る標高差も160mくらいだ。

日勝峠バックカントリー
登り始めてから50分も経たずに滑走準備


2週間前より尾根の雪庇が大きくなっていたけれど、安全に降りられる場所があった。
今回は、何処にオープン斜面があるか分かっていたので、そこまで皆を誘導する。
まずはノートラックの斜面に最初のシュプールを描く。

日勝峠バックカントリー
適度な傾斜と適度な樹木、気持ち良く滑られる


昨日のイワオヌプリの重たい雪とは雲泥の差、まさにパウダースノーである。
深さは物足りないけれど、パウダースノーの下に少し硬い雪があるので、とても滑りやすい。
これならば深雪に慣れていなくても問題なく滑ることができそうだ。

日勝峠バックカントリー
格好良かったので連続写真で


斜面の様子を知っていると、滑るルートも良い場所を選ぶことができる。
途中で写真撮りながら、気持ち良く沢の底まで滑り降りてきた。
Y賀さんは、もう少し滑る場所が残っているからと一人だけ更に下まで滑り降りていた。

日勝峠バックカントリー
沢の底から登り返し


ここからシールを貼って登り返す。
準備の終わった私が最初に登り始めた。
昨日のイワオヌプリでは、私の付けたトレースが急だったとI山さんから言われていたので、今日は高齢者向けの緩~いトレースとなるように、慎重にルートを探す。
ジグを切る時も、キックターンを使わなくても済むような緩い斜面を選ぶ。

日勝峠バックカントリー
登り返しも緩い斜度で


途中からI山さんに先頭を変わってもらう。
後ろから登って来ている70オーバーの人達もそんなには遅れていないようだ。

勿論今日は、もう1本滑って登り返す予定である。
一番遅れていたコージさんも、半ば諦め気味に了解してくれた。

日勝峠バックカントリー
途中にあった雪の塊にいたずら


 

尾根の上までは上がらずに、林間をトラバースして前回滑った場所へと移動する。
そして、樹木の疎らなところに出てきたところで私がシールを剥がそうとすると、I山さんはもう少し上まで登ると言う。
雪庇の下まで後10mくらいだけれど、そこまで登っても木が多いし、1ターンだけ多く滑られるだけ。
昨日のイワオヌプリと同じで、登れる限りは少しでも高い場所まで行こうとするI山さんなのである。

日勝峠バックカントリー
隣の尾根までトラバース


まずは林間部分を滑って皆の写真を写す。
ここの雪もまた良かった。

日勝峠バックカントリー
70オーバー


林間を抜けるとオープンバーンが広がる。
それぞれがスプレーを上げながら、自分の好きなラインを滑り降りる。

日勝峠バックカントリー
二人とも70オーバー


コージさんが途中で「これ以上は降りないでお帰りコースの方へ登り返す」と言い始めたけれど、奥様がもっと滑りたいと言うので、それに付き合って沢の底まで滑ることにした。
優しい旦那様なのである。

日勝峠バックカントリー
良い斜面である


一番下まで降りてきた皆の顔には満足そうな笑顔が浮かんでいた。
日も射してきて、その笑顔を照らす。

日勝峠バックカントリー
満足した笑顔


一休みしてから、最後の登り返し。
この登り返しでは、1本目の登りのトレースをそのまま使うことができるのが嬉しいところだ。

日勝峠バックカントリー
もう少し早くから日が射して欲しかった


コージさんの足が攣ったみたいだが、Y賀さんが筋肉の攣りを止める薬を持っていたので、それを飲ませる。
高齢者同士お互いにいたわりあって、最初の尾根の上まで戻ってきた。

日勝峠バックカントリー
最後はいたわりあいながらの登り返し


そして最後に森の中を一気に滑って駐車場へと戻る。
自分が70歳になるまで後5年弱。
その時に先輩方のように元気に山を登っていられるだろうか。
自分ももう少し頑張ろうと思わせられる山行だった。



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