北海道キャンプ場見聞録
タケノコ山(2021/01/31)
雪は良くても滑りが不満
荒れた天気となる予報の週末で、土曜と日曜のどちらにするかで最後まで迷っていたI山さん。
金曜日になってようやく日曜日に登ることに決まった。
その山は、南富良野のタケノコ山。
天気が悪いにも関わらず続々と参加表明があり、最終的に13人の大人数となる。
南富良野の道の駅に集まって、そこから3台の車に分乗して現地へ向かう。
林道は除雪されていたけれど、無理をしないでその入り口に車を停める。
先客の車が2台、この奥にも停められたけれど他の2台は少し離れた場所に
今回は集合時間が午前10時と遅かったので、登り始めた時には午前10時20分を過ぎていた。
何時も皆から置いていかれるウッチーは、ハンディを付けて既に先に登り始めた。
遅いスタートとなった
林道は800m程歩いたところまで除雪されていて、3台くらいならばまだ十分に停められるスペースも残っていた。
15分くらい余計に歩く程度なので大して気にはならないが、帰りは若干だけれど登り返しになるところもあるので、それが辛いところだ。
その先は1列縦隊となる。
スタート時のハンディを既に使い切ってしまったウッチーだけれど、まだ縦隊の先頭をキープしていた。
ウッチーを先頭にした一列縦隊
標高600mを過ぎた辺りから急登が始まる。
ずーっと細かな雪が降り続いているので、汗をかいても上着を脱げないのが辛いところだ。
ジグを切りながら登っていく
私は汗をかかないように最後尾からゆっくりと登っていく。
それでも皆が先頭のウッチーのペースに合わせて登っているからなのか、大きく遅れることはない。
かなりの急斜面である
急斜面なので何度もジグを切りながら登っていく。
私の前を登っているさちえちゃんが、キックターンが上手くできずに何度も立ち往生していた。
さちえちゃんには悪いけれど、私はその間に休んでいられるので好都合である。
急斜面でのキックターンはなかなか大変だ
標高800mくらいで尾根の上に出てくると、急登も一段落となる。
しかし、一段落と言っても今度はジグを切らずに直登になるだけので、登る傾斜は大して変わらない。
ウッチーはここまで来てもまだ先頭を譲らずにいた。
尾根の上に出てきても登る角度に変わりはない
尾根の上まで登ると何時もならばかなやま湖の姿も見えるのだけれど、今日は何も見えない。
風当たりも強くなってくる。
条件は悪いけれど、雪だけは抜群に良かった。
尾根に沿って滑り降りてきた人がいたけれど、とても気持ち良さそうだ。
風も強くて吹雪模様に
標高900m付近で皆が滑走準備を始めていた。
1039mの山頂近くまで登って、何時もの沢を滑るのだと思っていたので、ちょっと拍子抜けである。
山頂からの1本勝負のつもりでいたのに、ここから滑るということはもう1本登り返すつもりなのだろう。
登り始めてから丁度2時間、私もここでスキーのシールを剥がす。
一瞬だけ薄日が射したのだけれど
I山さん、S藤さん、ヨッシーが、思い思いのラインで次々に滑り降りていく。
私は広いオープンバーンの方から入って、大きなターンで思いっきりスプレーを上げて滑ろうとしたら、途中でバランスを崩し尻もちをついてしまう。
ふわふわパウダーの下に少し重めの雪の層があって、それに足を取られた感じだ。
オープンバーンを目の前にして気がはやりすぎた
過去のタケノコ山でも、ノートラックのオープンバーンを目の前にして気持ちばかりが先走りして、途中で尻もちをつくのは何時ものパターンだった。
気を取り直して、カメラを構えるI山さんの前を颯爽と滑り降りたが、最後に小さな雪山に突っ込んでまたしても転倒。
スキーが外れてそのまま2mくらいずり落ちる。
スキーが外れたままずり落ちていくのは悲しい
流れ止めを付けるのを忘れていたので、スキーは雪山に埋もれたまま。
後から滑ってきたウッチーにお願いして、スキーを掘り出して貰えたが、こんな深雪の中を滑る時は流れ止めは必須アイテムである。
ウッチーが私のスキーを掘り出してくれた
自分のことで精一杯で、そこでは皆の写真を撮ることができなかった。
しかし斜面はまだまだ続いている。
写真を撮り終えたI山さんが先に滑り降りる
気を取り直してもう一滑り。
今度は転ばなかったけれど、どうも2週間前に朝里川温泉スキー場でタケピ-先生から教えてもらった滑りができていない。
自分の滑りに納得がいかない
皆は楽しそうに滑っているけれど、そんなこともあり私はもう一つ乗り切れなかった。
竹竿を使った一本杖スキーに磨きをかけるO川さん
最後に滑ってきたウッチーが、今までとは見違えるような滑りを披露してくれた。
2週間前に私と一緒にタケピー先生の特別レッスンを受けたのに、何だか随分差を付けられた気分である。
タケピー先生の話にウンウンと頷いていたウッチーと、タケピー先生の話をあまり理解できずにいた私の差が、ここで現れたようだ。
見違える滑りになったウッチー
ここからもう1本登り返すのだろうか。
何時もはブツブツ文句を言いながら登り返しているO橋さんは、今日のフワフワパウダーに感激して登り返す気満々である。
他のメンバーもそのつもりのようだ。
しかし、先に滑り降りていたS藤さんは、遥か下の方で待っていて、そこまで降りてしまったメンバーも居る。
登り返すつもりならば、そこまで降りないはずだ。
I山さんがトランシーバーで連絡とると、S藤さんはやっぱりこの一本で終わるつもりでいたらしい。
時間も遅いので、これから登り返すのは止めた方が良いとのこと。
結局今日は登り返さずに終わることに決まる。
S藤さん達のところまで滑り降りて一休みしていると、私達が何時も滑っている沢の方から3人のグループが歓声を上げながら滑ってきた。
ノートラックの斜面で雪も良くて「最高でした!」と感激している。
3人グループは左端に見えている沢を楽しそうに降りてきた
めぐちゃんが彼らから「何処のツアーですか?」と聞かれたらしい。
確かに、これだけの大人数で専属カメラマンがいて外人ボーダー(HOAのボス)も混ざっていたら、どう見ても商業バックカントリーツアーにしか見えないだろう。
めぐちゃんは「いや、カヌークラブの個人ツアーです」と答えたが、相手はそれでも何のことだか理解できずにいたとのことである。
そこからは林間を滑り降りて、車へと戻る。
その途中で登ってくる人とすれ違った。
「こんな時間から登るの?」と不思議に感じたが、メンバーの一人が話を聞いたところ、「仲間の一人がまだ降りてこないので探しに行く」とのことだった。
「南富良野の社満射岳付近で65歳の男性が行方不明」とのニュースを聞いたのはこの夜だった。
6人グループで登っていて、足の調子が悪いからと一人で先に下山して行方不明になったらしい。
幸いこの男性は翌日になって無事発見されたけれど、同じ様なケースは私達のツアーでも起こりそうなケースなので他山の石としたいものだ。
道の駅まで戻ってから、皆で雪崩ビーコンの使い方を練習する。
私も最近はビーコン練習をしていなかったので、これは良い経験になった。
バックカントリーで遊ぶ時は安全第一なのである。