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三段山(2021/01/17)

雪は降っていなかった

土曜日は低気圧の通過により全道的に荒れ模様の天気となって、札幌では朝方に雨が降り日中の気温は6度まで上がっていた。
しかし、標高千メートル以上の山ではそこまで気温は上がらず、降るものも雨ではなく雪だったに違いない。

低気圧が通過した後は冬型の気圧配置となり、北西の風が強まるのが普通である。
ところが日曜日は気圧配置の関係で、北海道内陸部は風が弱まり晴れ間が広がる予報となった。
カヌークラブのツアーコンダクターであるI山さんは、すかさずそこを狙って三段山スキーツアーを企画。

さすがにベテランコンダクターであるI山さんの読みに狂いは無く、現地に着くと青空が広がっていた。
前十勝から上がる噴煙が北へと流れていたが、下では全くの無風である。

前十勝
朝の前十勝、例年より噴煙が多い気がする


今日の参加者は何と17名。
今年になってバックカントリーの道具をそろえたばかりのビギナーからベテランまで、年齢も20代から70代、他にラフトカンパニー経営者2名も加わった、ごちゃ混ぜ状態。
まあ、カヌークラブの例会では何時もの風景ではある。

登っている時に何時も遅れがちになる3名が先に登っていった。
集合時間に間に合わない人や、1段目や2段目までしか登らない人もいるので、全員が揃う前にそれぞれ適当に登り始める。
最終的には二つのグループに分かれるのだけれど、三段山は登るルートも決まっていて見通しも良いので、これで何とかなるのである。

白銀荘
白銀荘前から登り始める


天気は最高なのだけれど雪が少なかった。
山の上では雨でなく雪がたっぷりと降っていたはずだ、と言うのは私の勝手な予想。
こちらの方は見事に外れてしまったようだ。

積雪は5センチ程度だろうか。
一応は先行者のトレースの中を歩くけれど、これならばラッセルしながら歩いても大して苦にはならない。

三段山
昨日からの新たな降雪は数センチ程度


今回は久しぶりにかみさんも参加していた。
山に登るのは久しぶりでも、登るスピードに変りはない。
今日は先に登っている人がいるので、誰にも遠慮することなくフルスロットルで登っていく。

三段山
1段目の斜面


私は写真を撮りながらマイペースで登る。
1段目の上まで登ってくると後続メンバーらしき姿が遥か遠くに見えていた。

三段山
山麓に広がるアカエゾマツの森

 

三段山
この辺りのアカエゾマツは今時期なら白いモンスターになっているはずなのだが


全然雪を被っていないアカエゾマツの森を抜けると2段目の斜面が見えてきた。
かみさんはもう先行していたメンバーを追い抜いてしまったようだ。

三段山
2段目の斜面


途中で後ろを振り返るとそこにヨッシーの姿があったのでビックリした。
私たちが登り始めるころ、遅れちゃいましたと頭を掻きながら到着していたのに、もう追い付いてきたのだ。
その速さはかみさんのレベルを遥かに上回っていた。

三段山
2段目の目印でもある3本のダケカンバ


そうして結局、後続部隊を除いた全員がほぼ同じタイミングで2段目の上まで登ってきたのである。
到着時に見えていた青空もかなり霞んでしまっていた。
それでも三段山の山頂の姿は確認できている。

三段山
2段目を登り終えた


標高が上がれば雪の量も増えるかもしれないと期待していたが、その期待もあっさりと裏切られる。
それでも、数センチでも積もっているのがありがたかった。
2段目の上からは、柔らかい雪が風で全て飛ばされ、硬い雪面が露出していることも多いのである。

ただ、積雪自体が少なく、ハイマツも完全に埋もれていない。
そこから先はハイマツの間を縫うように登っていく。

三段山
雪が少なくてハイマツが隠れていない


 


直ぐ横の沢を滑り降りている人の姿が見えるが、沢の中にも雪は溜まっていないようだ。
三段目を登っている途中で、西の谷を滑った方が良いかも知れないとの話しになり、その沢の上部をトラバースすることにした。
しかし、雪が少しだけ付いている下はガリガリの固い雪面。
スキーのエッジも効かず、かみさんは途中で動けなくなる始末。

三段山
苦労しながらここで滑走準備


結局、今日は何処へ行っても雪は悪そうなので、そのまま沢の中を滑り降りて、雪の良さそうな林間を目指すことになった。
しかし、滑走準備をするのもまた一苦労。
斜面の途中なので、ハイマツを利用して足場を確保するのだが、表面は雪に覆われていてもハイマツの枝の間は空洞のまま。
表面の雪を踏み抜くと、そのまま1m近く埋まってしまうのだ。

三段山
準備完了!


苦労しながらもようやく全員が準備完了。
順々に沢の中を滑り降りる。
硬いバーンは、油断しているとスピードが出過ぎて、転倒してしまう人もいる。

三段山
沢の中も雪は硬い


途中から沢を抜け出し、森の中へと続く斜面へと出る。
こちらの雪面も同じような状況だけれど、邪魔な障害物が少ないので気持ちよく滑ることができた。

三段山
この辺りはまあまあ気持ちよ良く滑ることができた


ここから登り返す話しも出たけれど、今日の雪では登り返してまで滑る価値は無さそうなので、そのまま森の中をトラバースして駐車場に戻ることにした。
しかし、その途中で雪の柔らかそうな斜面を発見。
ここなら登り返す価値はありそうだと、約1名を除いて皆の意見は一致。

三段山
登り返して滑った斜面


途中から雲に覆われてしまっていた空も再び明るくなり、登り返して最後の一滑りを楽しむ。
しかし、ここも思っていた程の雪では無かったようで、硬い雪面に足を取られている人もいた。
私はその様子を見ていたおかげで、雪の良さそうな場所だけを狙って滑ることができた。

三段山
文句を言いながらも楽しく滑ることができた


林間部は所々に良い雪も残っていて、それなりに楽しみながら駐車場へと戻ってきた。
雪が少なかったのは残念だったけれど、自然相手なのでたまにはこんなこともある。
真冬のこの時期しては天気にも恵まれ、家でゴロゴロしているよりはずっと充実した一日を過ごせたのである。



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