北海道キャンプ場見聞録
幌加内坊主山(2020/02/01)
豪雪地帯も雪不足
2月に入ったばかりの週末に企画されていた、深川のアグリ工房まあぶのコテージを利用した道北山スキーツアー。
土曜日に滑るのは幌加内町の坊主山。
全道的な少雪傾向の中にあっても、豪雪地帯の幌加内はさすがに積雪1mを越えていた。
それでも、何時もならば雪に埋もれているはずの幌加内の家々も、今年は普通に雪の上に見えている。
オホーツク方面では前日まで今年一番の大雪に見舞われていたのに、幌加内ではその雪も全く降らず、おまけにこの一週間もほとんど雪が降っていない。
真っ白な雪原の上にスキーで乗っても、スキー板は僅かに沈むだけ。
おかげでラッセルの苦労は全く無いものの、これではパウダースノーはほとんど期待できそうにない。
廃棄物処理場横の駐車スペース
今日の参加者は14名。
幌加内町の廃棄物処理場に車を停めて登り始める。
森の中に入って直ぐに急登となる。
参加者の体力はバラバラ。
先頭でグイグイと登っていくF本さん、最後尾からゆっくりと登る70歳のコージさん。
隊列の間隔はどんどん広がっていく。
次第に傾斜が急になってくる
私はその中間辺りで、写真を撮りながらマイペースで登っていく。
先頭で登っているグループは、どうせ何処かの斜面を1本滑ってから登り返すことになるのだろう。
後ろの方から登ってくる人たちは、登頂した後は同じ場所を滑り降りるだけ。もしかしたら、登頂できるかどうかも怪しい。
そんな感じなので、間隔が開いても大して気にはしていない。
それでも先頭グループの人達も少しは気を使ってくれて、時々立ち止まって待っていてくれる。
ただそれも、最後尾の人の姿が少しでも見えたら「ああ、登ってきてるね」と言って、直ぐにまた登り始めるのである。
まあ、あまり休んでいたら汗が冷えてくるので、それもしょうがないのである。
たまに立ち止まってくれる先頭グループだけれど・・・
尾根の上まで出て急登が一段落したところで小休止を入れる。
尾根の上は僅かに積もっていた柔らかい雪も全て吹き飛ばされてしまい、固い雪面が露出していた。
シュカブラができていて、所々に吹き溜まりもあり、下山はここを滑らなければダメだと思うとウンザリしてくる。
僅かだけれど、何日か前に登ったようなトレースも残っていた。
普通のトレースは雪面より下がっているものだけれど、トレース部分以外の柔らかい雪が吹き飛ばされるので、ここのトレースは雪面より高くなっている。
雪は悪いけれど、天気がまずまずなのが良かった。
雲は多いものの青空も覗いて、時々日も射してくる。
ようやく坊主山の山頂が見えてきた。
その斜面にエゾマツが林立している。
この時期なら真っ白なモンスターと化しているエゾマツなのに、今日は分厚い雪の衣をほとんど落としてしまっている。
数日前に、雨が降るような気温の高い日があったので、それで雪が落ちてしまったのだろう。
もしかしたら、今年の雪の少なさならば、モンスターになるほど雪が積もらなかったのかもしれない。
坊主山山頂はもう直ぐ
山頂が見えてくると、先頭グループは後ろから登ってくる人のことなど全く気にしない。
山頂目指してまっしぐらに登っていく。
その登る傾斜があまりにも急なので、私は斜面を回り込むように緩い角度で登っていく。
幌加内の町が眼下に見えていた。
周りを山に囲まれた典型的な盆地地形が印象的である。
山頂が近づくと、周りのダケカンバは枝先まで樹氷に覆われ真っ白な姿に変わってくる。
標高743mの山だけれど、幌加内辺りだと山頂は札幌付近の千メートル級の山と大して変わりはない。
そして登り始めて2時間10分で山頂到着。
さすがに山頂のエゾマツは、分厚い樹氷に覆われほとんどスノーモンスターと言えるレベルである。
今シーズン初めて目にする美しい雪山の風景である。
遠くに大雪の山並みが見える
私たちが滑走準備を終える頃に、ようやく後続グループが登ってきた。
パウダージャンキーのF本さんにI上さんが、目をギラギラさせながら何処の斜面を滑ろうかと探しまわっていた。
しかし、どの斜面をガリガリで、パウダーが付いていそうな様子は全くない。
それよりもシュカブラが酷くて平らな斜面を探すのが難しそうだ。
最後尾のコージさん到着
I山さんが途中まで滑り降りていた斜面が良さそうなので、そちら側に行ってみる。
しかし、Y川さんが付いてきただけで、他のメンバーの姿が見えない。
それぞれが、好きな斜面に向かっていったのだろう。
このメンバーでは何時ものことだけれど、斜面を前にすると自分の滑ることしか考えない人達なのである。
雪さえ良ければこのオープンバーンは最高だろう
結局、3人だけでその斜面を滑って登り返す。
少しだけ柔らかい雪も付いていて、まずまずの選択だったようだ。
F本さん達が滑った他の斜面も似たようなものだったらしい。
この辺りには柔らかい雪が付いていた
その後、他のメンバーと合流できないまま、ガリガリでデコボコの斜面を苦労しながら滑り降りて、車まで戻ってくる。
そこでは、一番最後に山頂まで登ってきたグループが、既に寛いでいた。
残りのメンバーは私達から更に1時間以上遅れて降りてきた。
滑りは殆ど楽しめなかったけれど、私としては美しい冬山の風景を楽しめたので、十分に満足して今日の宿泊先であるアグリ工房まあぶのコテージへと向かったのである。