北海道キャンプ場見聞録
樽前山(2012/2/28)
4連続撤退 |
積雪期以外は7合目まで車で行くことができ、1時間程度で登れる樽前山。何故か我が家は、登山口までも行ったことが無かった。 冬になると登山口へ通じる道道が通行止めとなるため、閉鎖されたゲートからそこまで6.5キロの道のりを歩かなければならない。 ゲートから先の道路には7合目ヒュッテの管理人さんがスノーモービルで行き来するので、ツボ足でも歩けるくらいの道が付いているだろうと思っていた。 ところが、ゲートの前には雪を被った、多分管理人さんのものと思われる車が停まっていたが、道路上には数人が歩いた程度のスノーシューのトレースしか無かった。 ただ、心配なのは帰りのことである。傾斜が殆ど無い様な道なので、しっかりとしたスキーのトレースが無ければ途中で止まってしまうかもしれない。 とりあえずは帰りのことは考えないことにする。 私たちの先に車が1台停まっていたけれど、足跡から判断すると一人で登っているようだ。 追い越したくはなかったけれど、ペースが遅いのでしょうがなく挨拶をして先に行かせてもらう。 |
お決まりの記念撮影 | 森の中からはクマゲラの鳴き声が |
黙々と歩いていると前方から1台のスノーモービルが走ってきた。 スノーモービルが通り過ぎた後は格段に歩きやすくなった。これで少しは帰りも楽になりそうだ。 1時間経過したところでGPSをチェックする。 道道の分岐点までやってきた。ここまで約1時間20分。 その分岐からヒュッテまでは緩い上り坂が続いていた。 ようやく前方に、目指す樽前山の姿が見えてきた。 回りの木々も次第に背丈が小さくなり、周辺の見通しも効くようになってきた。 樽前山の姿が更に大きくなってくる。 事前にネットで調べたのだが、山スキーで樽前山に登っている情報が少なく、どのルートで登れば良いのかがよく分からなかった 私たちが山を登っている時に山小屋に入るのは今回が初めてだった。 管理人さんの話では、大体の人がヒュッテから真っ直ぐに東山の山頂を目指すようである。 |
言われたとおりにヒュッテ前から林の中に入っていく。週末に40センチ以上の雪が降ったとのことで、膝までのラッセルである。 林を抜けると風不死岳の左手に932峰の姿がちょこんと見えていた。 帰りも登りのトレースの中を滑ることになりそうなので、そこから徐々に高度を上げながら登ることにした。 私の場合、何時もこの勝手な思い込みで痛い目にあっている。 風不死岳の右手に支笏湖の姿が見えているが、雲が広がり霞んでしまっている。 |
真っ白な斜面の上には太陽が出てるけど | 支笏湖は雲に霞んでいた |
尾根を越えるとようやく目指すコルが見えてきた。 風が強くなってきた。 コルまで登ると風が強そうなので、その手前でスノーシューに履き替える。 かみさんはこのMSRのスノーシューを履くのが大の苦手である。 ようやく準備が整う。 そこから数十メートルほど歩いたところで、あっさりと「もう止めよう」との言葉が口から漏れた。 「景色が何も見えないのでは苦労して頂上に登る意味がない」というのが私たちの考え方である。 それに管理人さんからは、「登りのトレースも直ぐに消えてしまう」と言われていた。 |
932峰の後ろは灰色の空が広がる | 外輪山の向こうに溶岩ドームが見える |
滑り降りる頃には雪も降り始め、既に932峰の姿は雲の中に消えてしまっていた。 登りのトレースに忠実に従って滑り降り、ヒュッテまで戻ってきた。 中では若い男女が休んでいた。 帰り 支度を始めたので「上まで登るんですか?」と聞くと、男性の方が「僕はアイゼン・ピッケルを使う山には登らない主義なんです。滑る方が楽しいですから」と言って、今日はこのまま帰るらしい。 食事を終えて、ゲートまでの長い道のりを滑り降りる。 |
通行止めゲート | → | 道道分岐 | → | ヒュッテ | → | 932峰コル | ||
1:20 | 1:00 | 0:55 | ||||||
下り1:10 | ||||||||
距離:8.3km 標高差:546m |