自然歩道手稲山北尾根ルート(2008/01/05)
昨年末は何かとバタバタしていて、一度もスキーに行かず終わってしまった。
年が明けて最初の週末の土曜日、天気も良いのでシーズン最初の山スキーの足慣らしとして、散歩気分で歩けるようなところへと考えて近間の手稲山自然歩道(北尾根ルート)へ行くことにした。
手稲区金山の入口からこの自然歩道に入ると、約1kmほどのところに「乙女の滝」があり、これまでにもスノーシューで何度か歩いたことがある。
水道局宮町取水場への入口付近と、そこから少し入った取水場のゲート前に車1台分程の駐車スペースがある。入口付近には既に車が1台停まっていて、ゲート前に駐車するのも邪魔になりそうなので、しょうがなく車道の路肩に車を寄せて駐車することにした。
今年はまだ雪も少なく道幅も広いので、それほど邪魔にはならないだろう。
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宮町取水場入り口 |
宮町取水場前ゲート |
スキーにシールを張って歩き始めると、自然歩道入口に「工事のため2008年12月まで日曜日以外の通行はできません」と書かれた看板が立っていた。
ちょっとビックリしたけれど「まさかこんな山の中で冬の工事はやっていないだろう」と考え、気にせずに先に進む。
凍った砂防ダムを越えながら滝の沢川沿いを少し歩き、一旦車道へと上がる。
冬の間は車も通らない道路なのだけれど、工事のためなのか除雪した跡が残っていた。正月の二日に降った雪がその上に新たに積もっていたので、スキーで歩くのに支障は無かったけれど、ストックを付くとその下のアスファルトにぶつかってコツンと音を立てるのが耳障りである。
前を歩いていたかみさんが突然、前のめりにバタリと倒れた。雪が解けてできた氷の溝にスキーの先端が引っ掛かってしまったようだ。
私はすかさず懐からカメラを取り出して、万歳の体勢のまま雪の上に倒れこんでいるかみさんにそれを向ける。
するとかみさんも直ぐにその気配を感じたらしく、写されて堪るかとばかりに素早く起き上がってきた。
僅かの差で美味しいシーンを撮り逃してしまったけれど、倒れた瞬間に「大丈夫か?」などと温情の言葉をかけたのが悪かったみたいだ。
このような時は機械のような冷酷さで、すかさずカメラのシャッターを切らなければだめなのである。
自然歩道はその先、滝の沢川沿いの林道を登っていく。
林道の入口横には、坑道の入口のような構造物が雪の上に姿を現していた。これまでは雪の深い時期にしか来たこ とが無かったので、そんなものがあることに気が付かないでいた。
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この先は林道へと続く |
坑道入口か? |
他にも建物の跡らしいコンクリートの基礎が、まるで遺跡のように森の中に残っていたりする。
「乙女の滝」付近は土地が段々畑のように造成されていて、所々に水が流れて湿地のようになっている箇所もある。
その様子から「この付近は昔、水田でも作られていたのだろうか?」と想像してしまったけれど、帰ってから調べてみると、この付近一帯は昭和20年頃まで手稲鉱山として栄えていたらしい。
その当時はこの段々畑には鉱山の社宅が立ち並び、人々が行き交う活気に満ちた場所だったのかもしれない。
もう少し雪が積もって人工物が全て隠れてしまえば、この場所にそんな歴史があったことなど、誰も気が付きもしないだろう。
最初からこのことを知っていたのなら当時の面影を探しながら歩く楽しみ方もあっただろうに、この時はそんな人工物がちょっと目障りに感じてしまった。
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突然石積みが現れたりする |
建物の基礎だけが残る |
相変わらず林道には除雪した跡が残っているし、所々に工事用ののぼりまで立てられていて、余計に興醒めさせられる。
それでも注意して周りを見やると、木々の梢を飛び交う小鳥の姿も目に留まり、びっしりと赤い実を付けたツルウメモドキが所々でモノトーンの森の中に彩りを添えていた。
鹿の足跡も結構目に付く。跳ね上げられた雪の様子から判断すると、つい先ほど私達の前を横切って行った鹿もいるようだ。
小さな足跡はネズミだろうか。ジャンプをしたり、雪に潜ったりと、足跡を見ているだけでそんな様子が目に浮かんでくる。
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ツルウメモドキの実 |
ネズミの足跡か? |
滝の沢川が次第に谷底深くに見えるようになってきた。前方には手稲山の姿も見えている。
林道は緩やかな登りが続き、帰りは楽に滑り降りられそうだ。
やがて前方に真新しい工場のような建物が現れて驚かされた。手稲鉱山の鉱害防止関連の施設らしい。
その先で自然歩道は二手に分かれる。一方は札幌オリンピックの男子大回転ゴール跡を経由して手稲山ロープウェイ乗り場付近へと続き、もう一方は手稲本町からの尾根筋ルートの途中へと合流する。
せっかくここまできたのだから少し眺めの良い場所まで登ってみたくなり、そのためには尾根筋に出る方が近そうなので、そちらのルートを選択した。
自然歩道入口からずーっと辿ってきた数日前に付けられたらしいトレースは、反対側のロープウェイ方向に向かっていたので、ここでお別れである。
そこから少し登ると今度は工事中のトンネル入口が現れて、また驚かされる。こんな山の中にトンネルを作って、一体何処に抜けているのだろうと不思議に思えてしまう。
これも後から調べて分かったのだけれど、このトンネルは鉱山の廃水処理を目的として掘られたもので、旧立坑の奥深く700m以上も伸びているそうである。
そこを過ぎると除雪の跡も無くなり、いよいよラッセルしながら進まなければならない。それほど深い雪ではないけれど、まだ体が慣れていないので結構疲れる。
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突然トンネルが現れた! |
トレースも無くなる |
しばらく進むと、自然歩道は林道から分かれて山の斜面へと続いていた。それとともに傾斜も一気にきつくなる。
所々で倒木や雪の重みで垂れ下がった枝が行く手を塞いでいたりするので歩きづらい。帰りに滑り降りる時も、それらが邪魔になって大変そうだ。
再び大きなコンクリート構造物が現れた。多分これが手稲鉱山の立坑跡なのだろう。廃墟巡りを趣味としているような人には、なかなか面白そうな場所かもしれない。
途中で自然歩道のルートを見失ってしまったけれど、直ぐにまたそれらしい場所に戻ることができた。まだ雪が少ないので良いけれど、これがもっと雪深くなったら、何処が自然歩道なのか分からなくなってしまいそうだ。
誰かが木の枝に目印で付けたらしい赤いテープも、自然歩道のルートとは全く違う場所に付いていたりするのだ。
あくまでも軽い散歩のつもりでやって来ているかみさんは「何処まで登るつもりなの~」と文句を言い始めた。
私も息切れしてきたけれど、せっかくここまで登って来たのに途中で引き返すのも馬鹿らしい。
何度も立ち止まりながら最後の急な坂を登りきって、ようやく尾根の上まで辿り着いた。
そこは樹木が多くてあまり展望の利く場所では無かったけれど、最初から眺めはそれほど期待していなかったので不満は無い。
それよりも、登りきったと言う達成感の方が気持ちよかった。
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尾根の上に到着! |
木が多くて展望は今一 |
スキー場の喧騒が遠くに聞こえる。
登り始めてから1時間40分、距離にして3.6km、標高差は350m、とても軽い散歩とは言えない。かみさんなどは散歩のつもりで靴ずれ対策もしていなかったので、家に帰ってから見てみるとかかとの後ろの皮がぺろりと剥けてしまっていた。
いくらシーズン初めとは言え、この程度でばてているのでは、4時間以上もかかるような中級レベルの山にはとても登れそうにもない。
もっと基礎体力を付けなければ、チャレンジできるフィールドも限られてしまいそうだ。
帰りは林道に出るまで、シールを張ったまま滑り降りることにする。
それでも傾斜が急なところではスピードが出すぎて、樹木も密生しているのでボーゲンだけで制動しなければならず、太股の筋肉が今にも攣りそうになってくる。
林道まで戻ってようやくシールを剥がすと、後は緩い傾斜を一気に滑り降りる。
この自然歩道はスノーシューでも十分に楽しむことができるフィールドだけれど、下りのことを考えるとやっぱり山スキーで登る方が楽なのである。
45分ほどでスタート地点まで戻ってきた。
ちょっとハードな散歩だったけれど、鈍った体を目覚めさせるにはちょうど良いトレーニングになった感じだ。
さて、今年はこの後どんな山に登ることができるだろうか。 |
宮町取水場 |
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滝の沢分岐 |
→ |
北尾根ルート分岐 |
2.6km、60分(30分) |
1.0km、40分(20分) |
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