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東ヌプカウシヌプリ(2024/10/9)

絶対に転べない山登り

高校の同級生仲間3人での月例会は、今年2回目の登山例会。
1回目は5月の剣山だったけれど、T君は太腿が攣りそうになって途中リタイア。
私は下山途中に転んで肋骨骨折と、散々な結果に終わってしまった。

そこで今回はもっと手軽に登れる山ということで、東ヌプカウシヌプリを選んだのである。
本当は、新得町の町外れに面白そうなレストランがあるので、そこで昼食を食べることが一番の目的だったけれど、それだけではつまらないのでついでに近くの山にも登ろうとの話になったのだ。
私の家に集合し、そこからT君の新車で現地へ。

東ヌプカウシヌプリの登山
山頂は直ぐ目の前に見える


東ヌプカウシヌプリの登山口までやってくると、平日にも関わらず道路沿いの駐車帯には結構な台数の車が停まっていた。
午前9時15分に登山開始。

上空には雲が広がっているけれど、山頂の姿は見えている。
ここまで来る途中は、山頂に雲がかかっていたけれど、その雲が無くなっただけで御の字だ。

この山は去年の同じ時期にかみさんと二人で、ナキウサギを見るために登っていた。
ナキウサギは見られなかったけれど、登山道の様子は大体分かっている。
倒木地帯を過ぎると苔生した岩場の風景を楽しめる。

東ヌプカウシヌプリの登山
倒木地帯では登山道の上に倒れかかっている倒木も多い


前回はその風景に感動し、夢中でカメラのシャッターを切りまくっていたが、多分同じ様な写真しか撮れないだろうから今回は控えめにしておく。

東ヌプカウシヌプリの登山
苔の見本園のようだ


その辺りから急登が始まる。
東ヌプカウシヌプリは登山口からの標高差は348m、コースタイムは1時間、初級者向けの山とされている。
しかし、初級者向けの山=楽に登れる山、ということではない。
どんな山でも、急登はやっぱりきついのだ。

東ヌプカウシヌプリの登山
楽に登れる山はない



先頭を任されているので、苦しそうな息づかいのT君の為に、なるべくゆっくりと登っていく。
T君の為と言いながら、本当は自分にとってもこのペースは楽なのだ。
かみさんと登っている時も先頭は私が務めているが、それはただかみさんが先に登ると次第に離されていくので、私が前を歩かされているだけの話しなのである。

東ヌプカウシヌプリの登山
苔の森の中に岩と木の根だらけの急登が続く


下を向いて登っていると、時々赤い実が落ちている。
頭上を見上げると、そこには沢山の赤い実を付けたナナカマドやツリバナの姿がある。
葉を落としたダケカンバやトドマツが主体の殺風景な森の中で、その赤が一際目立っていた。

東ヌプカウシヌプリの登山
緑の苔の上に落ちた赤いナナカマドの実


急登を終えて尾根の上に上がってきた。
そこでようやく山の東側の風景を目にできるのだけれど、雲が低くて風景も霞みがちだ。

東ヌプカウシヌプリの登山
低く垂れ込む雲で風景も霞んでしまう


頭上も開けてきて、もう少しで山頂だと思わされるが、そこからが結構長い。
その間に山頂が雲に隠れそうになってきて焦ったが、幸いなことに山頂に到着した時には青空も見えていた。
1時間15分で登頂である。

東ヌプカウシヌプリの登山
山頂では青空が見えてラッキー


交代で写真を撮っていると、後から登ってきたソロの女性がサッサと山頂を通り過ぎて、その先へと下りていく。
登山口には車が沢山停まっていたのに、下山者とは殆どすれ違っていなかったし、山頂にも人影はない。
ソロの女性が向かった先は、ナキウサギが見られるガレ場なのだ。

山頂から少し下った先にそのガレ場があるのだけれど、そこまでの道はササが被っていて少し分かりづらい。
私が去年初めてここに登ってきた時も、最初はその道に気が付かず、そのまま下山してしまうところだった。


ナキウサギが生息するガレ場


私達は今回、特にナキウサギを目当てに登ってきたわけではなかったけれど、せっかくなのでそのガレ場で一休みすることにした。
ガレ場までやって来ると、沢山の登山者がナキウサギの登場を待っているところだった。
その邪魔をしないように、私達は入口付近で一休みすることに。

その時、M君がロープに足を引っかけて転倒。
尖った岩が積み重なったような場所なので、私やT君ならば大怪我必至だったところだ。
しかし、3人の中で身体が一番丈夫なM君なので、脛を少し擦り剥いただけで済んだのは幸いだった。



ナキウサギの方は、なかなか姿を見せてくれないようだ。
鳴き声も聞こえてこない。
ちょっと前に、近くの自衛隊然別演習場から周辺が振動するくらいの大きな音が響いてきていたので、ナキウサギも驚いて隠れてしまったのかもしれない。

東ヌプカウシヌプリの登山
カメラマンが待ち受けても姿はなかなか見えないようだ


午前11時を過ぎてお腹が減ってきたので下山することにした。
今回はナキウサギよりも隠れレストランでの昼食が目的なのだ。

今回の登山での私のテーマは、絶対に転ばないこと。
最近は下山中に転んで2回も肋骨を折っているので、そんなヘマはもうしたくない。
ガレ場でM君が転んだのを目の当たりにしていたので、余計に慎重になってしまう。
それでも一度バランスを崩して転びそうになり、立木にしがみついて事無きを得た。
歳は取りたくないものである。

東ヌプカウシヌプリの登山
登山口まで戻ってきた


下山中、若い女性や若いカップルの登山者とすれ違う。
ナキウサギの可愛らしい写真を撮ってSNSにアップするのが目的なのだろう。

山頂から1時間10分で無事に登山口まで戻って来た。
直ぐに今日の目的地である新得町の「小さな森のレストランポパイ」へと向かう。

小さな森のレストランポパイ
信じられないくらいに人里離れた場所にあるレストラン


この店は、私がトムラウシ方面にドライブしている時「たまには普段走らないような道を通ってみよう」と、農道をどん詰まりまで走っていった時に見つけた店である。
「えっ?何でこんなところにレストランが?」
通過車両なんて殆ど無いような道で、付近に店の存在を知らせるような看板も無し。
それで興味を持って皆で来てみたのだが、こんな場所でも営業できることが食事をしてみて良く分かったのである。

小さな森のレストランポパイ 季節のポパイランチ
安くて美味しいポパイランチ、季節によって中身が変わるみたいだ


食べたのは季節のポパイランチ。
注文を受けてから釜で焚き上げるご飯に7品のおかず、汁物は小さなおそば、食後のデザート・コーヒーが付いて1380円。
今の時代、安くて美味しいものが食べられる店があればSNS等で情報が広まり、店の場所など関係なく人が訪れるのだ。

お腹が一杯になった後は近くのくったり温泉レイク・インで登山の汗を流し、幸せな一日となったのである。



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