北海道キャンプ場見聞録
石狩川(2023/07/23)
意外と楽しいショートコース(安足間大橋~中愛別橋)
上川町のアルパインリバーガイドさんの敷地である旧チロリン村キャンプ場で気持ちの良い朝を迎えた。
朝の気温は14度。
久しぶりに味わうひんやりとした空気の爽やかさだ。
上川リバーガイドさんの前庭で朝を迎える
この日下る川は石狩川。
当初は、ここから更に上流の二ノ岩と呼ばれる場所から下ることになっていたが、渇水のために安足間の堰堤から下流を下ることに変更となる。
二の岩からは下るのは初めてだったので楽しみにしていたのだが、この時期の石狩川での例会は何時も水不足で他の川に変更されることが多い。
今回は5年ぶりに石狩川を下れることになっただけでも良かったが、下る区間は4キロしかないショートコースである。
安足間の堰堤下流からスタートすることに
キャンプ場から一旦JRの安足間駅に移動。
そこから今日のスタート地点である高速道路の安足間大橋の下へ移動。
堤防へ上がる道は、車の前方が全く見えないくらいにイタドリが茂っていて、それを掻き分けながら車で進む。
もしも新車だったら顔が引き攣っていたことだろう。
高速道路の橋の下で集合写真
車回しを済ませて午前11時前に川下り開始。
と思ったら、今日もゲストの方が2組いるので、昨日の事もあってまずはレスキューロープの投げ方やレスキューのされ方の講習が始まった。
ゲストは、アルパインリバーガイドでお手伝いをしている若者がカヤック、N山ご夫婦がカナディアンのタンデムである。
スタート前のレスキューロープ講習
昨日の東川ほどではないけれど、今日も30度近くまで気温が上がる予報である。
昨日に続いてウェットスーツで下ることにしたが、暑くてしょうがないので率先して流され役となり、ロープを投げてもらった。
そうして午前11時15分に川下りスタート。
何時も動画を撮影してくれるI山さんが昨日のキャンプではしゃぎ過ぎて身体のあちこちを擦り剥いてしまったので、今日は欠席。
私が写真を撮るしかないかなと思って、先頭で下っていく。
川下りスタート
すると直ぐに丁度良い撮影ポイントがあった。
渇水気味でもさすが北海道一の大河だけあって、迫力のある写真が撮れる。
アルパインリバーガイドからゲスト参加した若者も無難に下っている
昨日はコストコで買ったばかりのインフレータブルカヤックのタンデムで下っていたヨッシーは、今日はそのカヤックに彼女一人を乗せて下っている。
無謀といえば無謀だけれど、ヨッシー本人は無謀だとは思っていないようで、自分は新しく手に入れたOC-1で楽しそうに下っていた。
ブツブツと文句を言っていた彼女だけれど、インフレータブルカヤックは瀬の中でも安定していた。
舟は安定していても乗っている本人の表情は恐怖で強張っているみたいだ
その先にもまた良い撮影ポイントとなりそうな瀬があった。
ゲストとしてクラブの例会に初参加のN山ご夫婦は、1週間前のダウンザテッシにも参加していた。
千歳川も何度も下っているので、スキル的には問題ない。
瀬の中でも安定しているN山艇
ただ、岩絡みの瀬があるような川はあまり経験がないとのこと。
ここの瀬も手前に少し岩が出ていたけれど、全く危なげなく下っている。
その先の橋の上から、今日は下らずに帰る予定のG藤さんが見送ってくれた。
橋の上から見送るG藤さん、規模は小さいけれどダウンザテッシの風景に似ている
その先でまた面白い瀬を発見。
瀬の横にある岩の上に登れば、自分の真下をカヌーが下っていく感じだ。
なかなか面白いアングルの写真が撮れる。
U竹さんは息子さんとパックラフトで参加
今回、安足間の堰堤から下流を下ると聞いた時、思わず「そこって何もない所だよね~」と言ってしまった。
上川から石狩川を下る時は、メインはポンモシリの瀬で、他はおまけでしかない
この区間は過去3回下っているけれど、過去の川下り日記を読み返しても、安足間の堰堤を越えたら、もう一つの堰堤と、ゴール直前にある瀬のことしか書いていない。
そのゴール直前の瀬も、今回のゴールの下流にあるので、本当に何もない区間だと思っていた。
それが、結構面白い瀬が次々に現れるので、これは嬉しい誤算だった。
瀬が多くて退屈しないで下れる
流れが護岸のテトラにぶつかっている場所があった。
これはちょっとやばいかなと思ったが、皆は気にしないでそのまま下る様子だった。
人工物が絡んでいる場所は嫌らしい
一番心配だったヨッシーの彼女も無事に通過したのでホッとしていると、アルパインリバーガイドの若者が予想外の沈。
カヤックにはあまり乗ったことがないと言っていたが、ここまで無難に下ってきたので、心配することもないだろうと安心して見ていたのだ。
テトラの手前で沈していたら危なかったけれど、そこを過ぎた後での沈だったので危険は少ない。
「舟を起こして!」、「パドルを中に入れて!」などと声をかけられながら、レスキューされる練習にもなったようだ。
そこで昼の休憩。
NもとさんのSUP試乗会も開催されたけれど、SUPが初めての人は立っているだけで精一杯。
カヤックやカナディアンなら初心者でもそれなりに川を下れるけれど、SUPでは絶対に無理だと思う。
期待通りにSUPの上でひっくり返ってくれたウッチー
青い空と白い雲。
何時もと同じ空だけれど、河原からそんな空を見上げると、しみじみと夏を感じる。
夏空が広がる
その先で分流があり、先に下っていたツアーリーダーのI田さんが、どちらに進むか迷っているようだ。
どう見ても左の分流の方が良さそうに見えたので私はそちらを選択。
しかし下っていくと前方にヤバそうな落ち込みが待ち構えていた。
一緒に下っていたK谷さんが「そういえばここで沈したんだ」と言っている。
U竹父クリア
何とか上手く下れたけれど、流れが岩にぶつかって曲がりながら落ちているので結構嫌らしい落ち込みだ。
後続メンバーは全員がこちらの分流に入ってきたようなので、まずかったかなと思ったが、そんな私の心配など気にもかけないように次々と落ち込みに入ってくる。
ちょっとした沈脱祭りになったが、その方が例会としては盛り上がる。
私はこんなところを下った記憶が無かったが、これまではもう一つの分流の方を下っていたようだ。
U竹息子クリアしてガッツポーズ
ここまで無難に下ってきたN山ご夫婦だったが、流石にここでは沈。
流されていく様子を撮影しようと思ったが、カナディアンのタンデム艇が流されると結構厄介である。
二人をレスキューして、流される舟も回収しなければならないのだ。
ひっくり返ったカナディアンは簡単に岸に寄せることはできず、下手をすると舟だけが流されてしまうこともある。
クリアできそうだったがこのまま上流側に沈
自分でも何度も経験していることなので、撮影は諦めて旦那さんの方にロープを投げた。
ロープは上手く届いたが、舟を掴んだままなので、私まで川の中に引きずり込まれそうになる。
近くにいたヨッシーに助けてもらって何とか岸に上げることができた。
カナディアンと人間を同時にロープレスキューするのは一人では無理
ちえちゃんがカヤックを流してしまったので、私の舟に乗せて下流まで送り届ける。
せっかくなので、その下の瀬ではわざと波の高い場所に突っ込んで、ガイドになった気分でお客様に楽しんでもらった。
お客様乗船
その下の堰堤は魚道を通過することができる。
入り口に用水路の取水口があるけれど、そこは急な流れではないのでそれ程問題ではない。
魚道の出口に大きな波が立っていて結構スリリングだ。
ここでは沈する人もいなく、皆がスリルを楽しめたようだ。
後はゴールを目指して下るだけ。
魚道をスタンディングでクリアするNもとさん
鉄橋の橋脚には流木が沢山絡んでいて、中央部分を通り抜けるのが良さそうに見える。
しかし、A達さんがここは左を下りますと言う。
「え?何で?」と思いながら後に付いていくと、その直ぐ先の中愛別橋下の左岸がゴール地点だったのである。
知らずにそのまま先頭で下っていくと、間違えてゴールを通り過ぎてしまうところだった。
鉄橋の真ん中を通ったらこちら側に来れないところだった
そうして午後1時半に無事にゴール。
今回は、4キロのショートコースにも関わらず変化に富んだコースで、とても楽しい川下りとなったのである。
この区間ならば発電所からの放水もあり、渇水時でも川下りが楽しめそうだ。
この日の川下り動画
(当日12:00石狩川水位 上川観測所水位:324.53m
中愛別観測所水位:242.29m)