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歴舟川

(坂下堰堤〜キャンプ場)

カヌークラブの9月例会は毎年恒例の歴舟川。
2日前には石狩などで大雨特別警報が出され、他の道内各地でも数日前から局地的な豪雨に見舞われていた。
歴舟川もこの雨により増水していたが、例会初日には尾田観測所の水位で102.60mまで下がり何とか川は下れそうである。

道が川のようになっているただ、初日に予定していたヌビナイ川はこの水量ではちょっと厳しそうなので、ツアーリーダーのN島さんの判断によりこの日は歴舟川上流部を下ることとなった。

下る区間は坂下からキャンプ場まで。
スタート地点に着いてみると、駐車場所には水が溜まり、そこから溢れた水はまるで川のようになって、河原へと降りる道の中を流れていた。
そのままカヌーに乗って下れそうな流れになっている。
雨が続いていると周囲の山がたっぷりと水を含み、そこから浸み出てくる水が全て川の中へと流れ込むので、雨が止んでも川の水位が下がるのに時間がかかるのだ。

集合写真参加者は24名22艇。
最近は新規入会者も増えて、例会の参加者も数年前と比べると随分と多くなっている。

スタート前のミーティングでは、今回のツアーリーダーであるN島さんから注意事項等が言い渡される。
注意事項と言っても、川の水が多くて本人が嬉しくて楽しくてしょうがないって感じなので、大した中身はなし。
最近の連続する集中豪雨災害を受けて、ニュース等では「増水した川には、くれぐれも近付かないように」と繰り返し放送されているのに、困った大人たちである。

空模様はどんよりとした曇り空。
川の水も、その空と同じく灰色に濁っている。
大きな波の中を下る3年前の例会でここを下った時は、今日よりも10センチくらい水が多く、水の色もチョコレート色だったので、それと比べればまだ条件は良い方である。

とは言え、これでは上流部独特のゴルジュの風景もあまり楽しむことができない。
家に帰ってから、この時に撮った写真をチェックしてみたが、ゴルジュの風景が殆ど写っていなかった。
それはつまり、カメラを向けたくなるような被写体として私の目に入ってこなかったという事なのだろう。

それに、流れが速いので、流れの途中で止まってゆっくりと写真を撮っている余裕も無い。
何時もならば周りの風景を眺めながら下るところを、早い流れに乗ってどんどんと下っていく。


歴舟川ゴルジュへの入口
ゴルジュ地形への入口

ゴルジュの中の瀬   ダイモンジソウ
ゴルジュの中の瀬を下る   岩場ではダイモンジソウが花盛り

ゴルジュ出口が近付いたところに、何時も大きな波の立つ瀬があるので、そこで皆の写真を撮ることにした。
ところでそこでIW田さんが沈して脱艇し、カヤックのメンバーが慌てて後を追いかける。
私も撮影は中止してその後を追った。

流されるIW田さんを追いかける人達流れが速いのでIW田さんはどんどん流されていく。
そしてその先はゴルジュ出口の瀬。
何時もならばその手前で上陸して、皆で下見をしてから下る瀬である。
そこをそのまま流れていくIW田さんと、後を追いかけるカヤックメンバー。

IW田さんのレスキューは、ひとまずカヤックの人達に任せて、私は手前のエディに入る。
先に下って行った人達の姿は岩の陰に入って見えなくなったが、大勢で追いかけたので心配することは無さそうだ。
でも、続けて沈されるとレスキューが間に合わず、最悪の時は舟を流してしまうことになる。
特にカナディアンの場合は、舟が大きいのでレスキューする方も大変である。
そこで後続メンバーにストップをかける。

危機一髪のビンバさんところが、カナディアンのビンバさんが既に近くまで下ってきていた。
しかも、エディのある右岸からは離れたところを下っている。
こちらに来るように伝えたが、見る見るうちに下流へと流され、そのままでは横向きになったまま瀬の中に入ってしまう。
慌ててそのまま下るように伝え、ビンバさんは何とか沈することなく、ゴルジュ出口の瀬をクリア。
続けて、よしひろさんのタンデム艇もやってきたが、この二人ならば沈することも無さそうなので、そのまま下ってもらう。

何時もなら岩を避けるために忙しいパドリングを要求されるゴルジュの瀬も、今日はほとんどの岩が水中に没しているので、カヌーの底を隠れ岩にぶつけながらも、ほぼ真っすぐに下ることができた。


ゴルジュ出口の瀬   ゴルジュ出口の瀬の出口
ゴルジュ出口の瀬へ突入   ゴルジュ出口の瀬を出たところ

昼の休憩12時を過ぎていたので、ゴルジュを抜けたところの河原で昼食にする。
それにしてもあっという間にゴルジュを抜けてしまった気がする。

その後は特筆するような瀬も無いままにしばらく下っていくと、かなり波の大きな瀬が現れた。
何の障害物もなく、ただ川幅が狭まってできた瀬なので、こんな時は波の頂点を潰しながら豪快に下るに限る。
カヤックのメンバーが直ぐにサーフィンで遊び始めた。

波長の長い波だったので私達もチャレンジしてみたが、あっさりと流されてしまう。
よしひろさんもソロでチャレンジしたが失敗し、次に奥さんとのタンデムで挑む。
それでもやっぱり、流れが速すぎて留まっていられず。

瀬を下るその後も土壁の手前や相川橋の下流など、3カ所くらい瀬があって、そこを通過する度に水舟になってしまう。
ベイラーで汲み出せるような量ではないので、その度に上陸し、カヌーをひっくり返して水を抜かなければならない。
水が多い時の川下りは、これが一番面倒なのである。

そうして、中の川とヌビナイ川が合流する場所まで下ってきた。
3年前に増水した歴舟川を下った時は、ヌビナイ川の水が一番澄んでいて、やっぱりヌビナイは違うな〜と感心したものである。
ところが今回は、歴舟川本流が一番澄んでいて、濁りがひどいのは中の川という結果だった。
日高山脈を源流とする三つの川だけれど、雨の降り方によって、その濁り方も変わるようである。


瀬を下るN島さん   サーフィンにチャレンジするタケさん
颯爽と瀬を下るN島先輩   タケさん、サーフィンにチャレンジするが

尾田橋手前の瀬その先では、何時もならば本流は昔の橋脚が残る右岸側を流れているのだが、今回初めて左岸に流れが変わっていた。
そこに、今日の中では一番大きな波の立つ瀬が新たにできていて、またしても水舟になってしまう。
尾田橋の手前にも大波の瀬があるのだけれど、水舟状態でそこの瀬に突っ込む気にはなれず、今日初めてチキンルートに逃げてしまった。

こうして、たっぷりの水の中でスリリングな川下りを楽しみ、歴舟川例会初日を終えたのである。

歴舟川の動画 

2014年9月13日 曇り
当日12:00歴舟川水位(尾田観測所) 102.60m


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