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厚田川

(左股川〜名前の分からない橋)

スタート地点の左股川週末に遊んでばかりいたので、家庭菜園や花苗の定植、テラスの補修、庭の草取り、かみさんのドライスーツの修理等々、家の仕事が山のように溜まってしまい、今週末こそはこれらを一気に片付けなくては。
そんな思いを挫くように、marioさんからの「厚田川を下りませんか?」との誘い。

悪いことに、週末の天気予報は晴れで気温も25度を超えて夏日になるとのこと。
「ウドもまだ採れますよ」とまで言われると、断る理由もない。
結局、一ヶ月以上も毎週末に川に出かけていたN島さんが奥様の許しを得られ、先週の沙流川例会で手ぶらで帰ったタケさんが奥様から「ウドを採ってきなさい」との厳命を受けて、4艇による川下りとなった。

緑に包まれたダウンリバー支流の左股川からスタート。
ズリズリとカヌーの底を擦りながら下っていくと、直ぐに厚田川本流に合流。
そこからは、浅瀬でたまに座礁することもあったけれど、ほぼストレス無く下ることができた。
これから夏に向けて、雨が降らない限りは更に水量が減っていくので、これが最後の快適な川下りかもしれない。

河畔の木々は新緑の時期を過ぎ、徐々にその濃さを増しつつある。
その緑が川面に映り込み、何とも心が癒される風景が目の前に広がる。
エゾハルゼミの鳴き声に包まれる。
その声に混じって、野鳥達のさえずりも聞こえてくる。
そんな中、目を皿のようにしてウドを探しながら下っていく。


厚田川のダウンリバー   厚田川のダウンリバー
美しい流れだ   河畔の木々が川を覆う

とても自然豊かな川に感じるが、実際は川の周りには水田が広がり、所々に取水用のホースが引き込まれている。
山に里山があるように、ここは里川とも言えそうだ。

川の中に突然現れたトラクター それなので、川の中に突然トラクターが現れたりする。
こちらも驚いたけれど、相手もさぞ驚いたことだろう。
この川でパドラーの姿を見かけることなど滅多にないはずである。
お互いに挨拶をして通り過ぎた。

目当てのウドは、たまに見つけても大きく育ちすぎたものばかり。
このままではタケさんが家に帰ることができないと心配し始めた頃、良いウド畑が見つかった。
斜面の上の方のウドは大きくなり過ぎているが、下の方のウドは雪解けが遅かったためか、まだ十分に収穫対象のサイズである。
そこに生えているフキも太くてみずみずしいものばかりだったので、我が家はフキも収穫。
各自が十分な量をカヌーに積み込んで、その場を離れた。


厚田川のダウンリバー
ウドを探しながらのんびりと下っていく

厚田川のダウンリバー   厚田川のダウンリバー
ウドの収穫中   たっぷりと収穫して川に戻る

発足大橋の下にはツバメの巣が沢山作られていて、そこからは雛のものらしい黒い頭がのぞいていた。
橋の周りではその親たちが忙しく飛び周り、雛のための餌でも集めているのだろうか。

緑の川を下るそんな光景にも癒されながら緑に染まった川を下っていく。
厚田川の川底は岩盤が露出しているところが多く、所々にちょっとした段差もできている。
水が増えれば大きな波も立ちそうだが、今は問題なくその上を下ることができる。
N島さんがそこでサイドサーフィンを試みるが、傾いたカヌーからウドがこぼれ落ちそうで見ている方がヒヤヒヤしてしまう。

そんな段差が連続して続いている場所もあり、段差の切れ目を狙って忙しくルート変更しながら下っていく。
穏やかな流ればかりではなく、色々な表情を見せてくれる厚田川である。


落ち込みで遊ぶN島さん   岩盤の段差が続く
ウドを乗せたまま瀬で遊ぶN島さん   岩盤の小さな段差が続いている

堰堤の下で休憩堰堤をポーテージした先の川原で休憩。
2年前の秋に下った時と随分イメージが違うなと思ったら、堰堤の横の河畔林が全て伐採されてしまったようだ。

今回の川下りではウドの他に化石採取も狙っていた。
化石が良く採れる当別川とは山を挟んで隣り合っているような川なので、地層も似ていそうだ。
前回下った時は露頭からノジュールらしきものが沢山露出しているのも見ていたので、今回は化石採取用のハンマーも持ってきたのである。
でも、そんなノジュールを幾つか割ってみたけれど外ればかり。
化石の方は空振りに終わってしまった。


厚田川の露頭   厚田川の露頭
ウドやノジュールが沢山採れそうな露頭   露頭を見ると気になってしょうがない

厚田川の美しい流れやがて、marioさんが「最も厚田川らしいところ」という場所まで下ってきた。
そこは崖の直ぐ上に道路が通っているのだけれど、そんな事が全く分からないくらいに自然のままの風景が色濃く残っている。
両岸から樹木が枝を伸ばし、緑のトンネルになっているところもある。
水は澄んで川底の石がハッキリと見えている。
ウドも沢山生えているけれど、流石にこれ以上収穫してもしょうがない。

marioさんのおすすめポイントを過ぎても、まだまだ緑のトンネルは続き、石の絡んだ瀬も現れる。
もう少し水が増えれば、ここもスリリングな瀬に変わりそうだ。
カヌーフィールドとしてのこれだけの魅力を備えた川は道内でも数少ないだろう。
下る度にますます好きになってしまう厚田川である。


厚田川
厚田川が一番厚田川らしい表情を見せる場所だ

美しい厚田川   美しい厚田川
こんな瀬も楽しい   川底の石がハッキリと見える

ゴール地点の橋の周りにも大きく育ったウドが沢山生えていた。
何のことはない。
ウドなんて、この辺りでは雑草と大して変わりない扱いなのかもしれない。

2014年5月31日 晴れ 
※参考 当日12:00浜益川水位(浜益観測所) 2.48m 


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厚田川の瀬   美しい厚田川
水が増えれば楽しい瀬に変わりそうだ   何処まで下っても美しい流れが続く