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歴舟川

(坂下〜カムイコタン公園キャンプ場)

スタート地点の透明な水 カヌークラブ9月例会後半戦の初日は歴舟川上流、坂下からカムイコタン公園キャンプ場までを下る。
 釧路川から引き続き参加する人、今日から参加する人、それぞれの連休の予定に合わせながら集まったのは14名。
 水は少ないけれど、この上流部ならばそれほど苦労しないで下れるしはずである。
 キャンプ場の駐車場に回送用の車を数台残して、スタート地点へと移動。
 早速、川にカヌーを浮かべる。水の透明度は最高で「やっぱり歴舟川は良いな〜」と感慨にふける。
 ちょっと残念なのは、朝方は素晴らしい青空が広がっていたのに、その青空が雲に隠されてしまったこと。
 なかなか天気に恵まれない今回の5連休である。
 ちょっとした瀬で腕慣らしをした後は、上流部で一番の楽しみであるゴリュジュ地帯へと地帯へと入っていく。


歴舟川ゴルジュ地帯
美しいゴルジュの中を下る

 水量が増えた時にここを下ったことはまだ無いけれど、その状況を想像するだけで恐ろしくなるような地形が所々に存在している。
 でも今日は、そんなことは気にしないで、ひたすら周りの風景を楽しみながらのんびりと下ることができる。
 深い淵になっているところはエメラルドグリーンに染まり、その美しさに息を呑む。
 切り立った岩肌では、エゾトウウチソウやダイモンジソウが可憐な花を咲かせる。
 何度下っても、このゴルジュ地帯の美しさは格別である。


歴舟川ゴルジュ地帯の風景   歴舟川ゴルジュ地帯の風景
エメラルドグリーンに染まる淵   風景に感動

エゾトウウチソウ   ダイモンジソウ
エゾトウウチソウ   ダイモンジソウ

 やがて、ゴルジュ地帯出口の瀬が近づいてきた。
 ここでは、右へ左へと岩の間を縫うように下らなければならない。
 今回は水が少ないので流れも緩く、余裕を持って漕ぎ下ることができた。


歴舟川ゴルジュ出口の瀬
水が少ない時は楽に下ることができる出口の瀬

 出口の瀬を抜けると急に視界が開けて、歴舟川らしい風景となる。
 川岸から倒れかかった倒木を見つけ、皆がそれにぶら下がって遊んでいる。
 I田さんが遡上する鮭を見つけ、カヌーから降りて追いかけはじめた。
 黒いドライスーツを着て、丸い体型のI田さんがそんなことをしていると、まるで熊が鮭を追っているみたいで笑ってしまう。
 でも、本物の熊みたいに鮭を捕まえられるわけがないと思っていたら、その鮭を手づかみしてしまったのには驚いた。
 さすがにここまで上ってきたら、鮭も相当に疲れているようである。
 気の毒な鮭を放流して下り続ける。


倒木で遊ぶ   気の毒な鮭
倒木で遊ぶ人達   熊?に捕まえられた鮭

 次第に青空も広がってきた。
 歴舟らしい土壁も現れる。
 快適なツーリングが続くが、最初の予想に反して、所々で歩かされるような浅瀬があった。
 どうも、少し流れが変わってしまったような気がする。
 家に帰ってから、2年前に下った時とのGPSの軌跡を比較したら、やっぱり2箇所ほどで大きく流れが変わっていた。
 相川橋の下も、2年前までは左岸側に楽しい瀬ができていたのに、今は流れが右岸寄りに変わって、面白味のない場所になっている。
 さすがにここではその変化に気が付き、ダイナミックに流れを変える歴舟川の本性を垣間見たような気がした。


歴舟の土壁   歴舟の土壁
歴舟らしい土壁   小さな土壁

太陽にかかる暈 再び薄雲が広がりはじめ、太陽の周りにも暈がかかってくる。
 これは天気が悪くなる兆しで、明日のヌビナイ川ダウンリバーがちょっと心配だ。
 そのヌビナイ川と合流すると、キャンプ場まではあと僅か。
 上流部の余韻に浸りながら、のんびりとゴールを目指した。

写真提供 サダ吉さん

2009年9月21日 曇り後晴れ
当日12:00 歴舟川水位(尾田観測所) 102.33m



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