その後は下流に車を移動させる。
上陸を予定している付近は、以前からネットでお付き合いのある幌加内町のKさんご夫婦が住んでいるところだ。
自宅は幌加内町の市街地にあるけれど、小学校として使われていた古い校舎を改造し生活の場をこちらに移そうとしているらしい。
あらかじめ連絡しておいたので、初対面にも関わらず暖かく迎えていただいた。
Kさんの話によるとそこからやや上流で壊れた吊橋が川を塞いでいるとのこと。
その場所まで案内してもらうと、確かに吊橋のワイヤーが川を横断していて、そこに倒木などが絡まっていた。
それほど急な流れでもないので、その手前で余裕を持って上陸できそうだ。それでも、何も知らずにここまで下ってきたとしたら、ちょっと焦っていたかも知れない。
Kさんの庭先に車を置かせてもらって、そのままスタート地点まで歩いて戻った。
ドライスーツを着込んでヘルメットを装着。
かみさんは普通の帽子で下るみたいだけれど、雨竜川とはいえ何が起こるかは分からないのだ。
その証拠に、最初にカヌーを置きに来た時よりも何となく川の流れが速くなっているような気がする。
おまけに雪の固まりまで流されてくるので、余計に心配になってしまう。
雪が積もっている分、水面まで高低差があるのでカヌーに乗り込むのにも一苦労だ。
僅かに見えている土の部分に足場を確保して乗り込もうとした瞬間、ズルッと滑ってそのまま体が川の中に吸い込まれる。
頭まで水没する前にカヌーにつかまって難を逃れたけれど、這い上がった時にはドライスーツのお尻が泥まみれになってしまっていた。
雪の上でお尻をこすってその泥を落とす。何だか犬が地面にお尻を擦り付ける時のスタイルとまったく同じなので、情けなくなってしまう。
気を取り直して、雪の無い橋の真下からカヌーに乗り込み、ようやくダウンリバーの開始。
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